「やってみたい!」と思うことがあったら、
あれこれ考えずに、とりあえず一回やってみる

考えたフリをして、何かを止めたときにつかっている「ダメぬるま湯」を知っていますかイラスト:ナカニシヒカル

 ダメぬるま湯に入ったHさんは、そのときは踏ん切りをつけたつもりでいても、「あのとき足先だけでも挑戦しておけばよかった。意外にGさんと違って自分は入れたかもしれないし……」などと、変な後悔や自己否定感が心に芽生えてくるのです。

「求人広告を見てもいい感じの会社がないから転職することができない」
「日々忙しくて交流会やセミナーに行けない」
「通常業務が忙しすぎて、資格の取得にチャレンジする気力がわかない」

 など、いろんなことで「だから仕方ない」と、この「ダメぬるま湯」につかっている人はたくさんいます。皆何かしら「仕方なくできない理由」をつくっているのですが、実際のところ実現させようという努力はどうでしょう?

 行動した結果、自分には向かないときっぱり諦めるところまでやれれば、あとあと「あのときやっておけば……」とぐちぐち後悔を感じることもありません。

 だから「やってみたい!」と思うことがあったら、あれこれ考えずに、とりあえず一回やってしまいましょう。うまくできなくたって、思い通りにならなくたって、それを責める他人なんていませんから大丈夫です。思い切りやって玉砕したとしても、少なくとも「やらなかったことへの後悔」は絶対に生まれないのです。

 今日から少しだけでもいいので、自分の気持ちをダメなぬるま湯につけて「何となく考えたフリ」をして自分の心を騙すことを、まずは止めてみませんか?

 POINT:
 「やってみたい」なら、とりあえず一回やってみる。

考えたフリをして、何かを止めたときにつかっている「ダメぬるま湯」を知っていますかバク@精神科医
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。