コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は第一生命ホールディングス、かんぽ生命保険、T&Dホールディングスの「生命保険」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
第一生命HDは四半期増収
かんぽ、T&Dは減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の生命保険業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・第一生命ホールディングス
増収率:8.6%(四半期の経常収益1兆9455億円)
・かんぽ生命保険
増収率:マイナス1.8%(四半期の経常収益1兆6651億円)
・T&Dホールディングス
増収率:マイナス2.9%(四半期の経常収益5701億円)
生命保険業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、第一生命ホールディングスのみプラス、他2社はマイナスとなった。
第一生命ホールディングスが唯一増収となった要因とは何だったのか。また、かんぽ生命保険は19年の「不適切販売問題」による営業自粛などを経て、21年4月に営業活動を本格的に再開したが、その影響は業績にどのように表れていたのか。
次ページ以降では数字を交えて詳しく解説する。