郵政消滅#番外編Photo by Hirobumi Senbongi

2019年の参院議員選挙で、60万票を獲得して、自民党比例代表のトップで再選された柘植芳文氏(元全国郵便局長会会長)は、かんぽ生命保険の不適切販売の問題の根本原因は郵便局ではなく、かんぽ生命にあると言い切った。特集『郵政消滅』(全15回)の#15では、「もっと謙虚になれ」とかんぽ生命保険の経営者を叱責したという柘植議員に同社への怒りの理由を語ってもらった。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

簡保の不適切販売の原因は
郵便局ではなくかんぽ生命の研修不足にある

──かんぽ生命保険の不正販売問題の根本原因は何だと思いますか。

 郵政民営化で日本郵政グループを4社(当初は5社)に分けた後、組織に起因する問題がないかという検証がなされていませんでした。その結果、かんぽ生命と郵便局を運営する日本郵便の間でガバナンスが利かない仕組みになってしまっていました。

──金融商品を開発する金融2社(かんぽ生命とゆうちょ銀行)とそれを販売する郵便局の連携がうまくいっていないようです。

 いわゆる「製販分離」の弊害です。「製販一体」に近づけて、制度や販売の方法などを決める権限を日本郵便に持たせるべきでしょう。

 かんぽ生命の不適切販売の問題は製販分離の弊害が出てしまった典型で、あらゆる問題の根底はかんぽ生命がつくっていました。