11/15、衝撃の一報があった。
発売たちまち6刷のベストセラー『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』が、「2021年スタートアップ・ベンチャー業界人が選ぶビジネス書大賞」を受賞した。
これまでは、「売上最大化、利益最大化」が常識だった。
これからは、「売上最小化、利益最大化」が常識になるかもしれない。
★★★株価上昇率日本一(1164%)の超効率経営
★★★従業員一人あたり利益がトヨタ、NTT、三菱UFJ、KDDI、三井住友FGより高い
★★★新卒初任給は日本で2番目(2021年実績)の高さ
「びっくりするほどよい商品ができたときにしか発売しない」
という圧倒的な商品開発でヒットを連発する「北の達人」。
会社の弱点が一発でわかる“5段階利益管理表”
売上を半減させ、利益を1.5倍、利益率を3倍にする方法
売上ゼロでも生き残れる“無収入寿命”
組織全体にコスト意識が生まれるたった一つの方法
を処女作で惜しみなく公開。全国に感動の輪が広がっている。
「不況下では、売上10倍はリスク10倍」と断言する木下社長を直撃した。

【2021年スタートアップ・ベンチャー業界人が選ぶビジネス書大賞受賞】<br />新規顧客獲得で<br />9割の社長がハマる「罠」Photo: Adobe Stock

最適「上限CPO」の算出法と
9割の社長がハマる罠

【2021年スタートアップ・ベンチャー業界人が選ぶビジネス書大賞受賞】<br />新規顧客獲得で<br />9割の社長がハマる「罠」
木下勝寿(Katsuhisa Kinoshita)
株式会社北の達人コーポレーション代表取締役社長
1968年、神戸生まれ。株式会社リクルート勤務後、2000年に北海道特産品販売サイト「北海道・しーおー・じぇいぴー」を立ち上げる。2002年、株式会社北海道・シー・オー・ジェイピーを設立(2009年に株式会社北の達人コーポレーションに商号変更)。
2012年札幌証券取引所新興市場「アンビシャス」、2013年札幌証券取引所本則市場(通常市場)、2014年東京証券取引所の市場第二部(東証二部)、2015年東証一部と史上初の4年連続上場。2017年、時価総額1000億円。2019年、「市場が評価した経営者ランキング」第1位(東洋経済オンライン)。日本政府より紺綬褒章7回受章。
「びっくりするほどよい商品ができたときにしか発売しない」という高品質の健康食品・化粧品で絶対に利益が出る通販モデルを確立。「北の快適工房」ブランドで、機能性表示食品「カイテキオリゴ」やギネス世界記録認定・世界売上No.1となった化粧品「ディープパッチシリーズ」などヒットを連発。売上の7割が定期購入で18年連続増収。ここ5年で売上5倍、経常利益7倍。利益率29%は、上場しているおもなEC企業平均の12倍の利益率。株価上昇率日本一(2017年、1164%)、社長在任期間中の株価上昇率ランキング日本一(2020年、113.7倍、在任期間8.4年)。日本経営合理化協会セミナー「『北の達人』他社を突き放す5つの戦略」は、参加費4万円超ながら327人が受講。本書が初の著書。
【株式会社北の達人コーポレーションHP】
https://www.kitanotatsujin.com/
【ツイッターで最新情報配信中】
https://twitter.com/kinoppirx78

 CPOと顧客一人あたり利益、新規顧客獲得件数の関係を整理すると、次のようになる。

 CPOをげる→新規顧客獲得件数は、顧客一人あたり利益は
 CPOをげる→新規顧客獲得件数は、顧客一人あたり利益は

 したがって、最も全体利益が多くなる最適な上限CPOを見つけることが大切だ。

 全体利益は、新規顧客獲得件数×顧客一人あたり利益(LTV-CPO)で算出されるからだ。

 本書図表30を見てほしい。

【2021年スタートアップ・ベンチャー業界人が選ぶビジネス書大賞受賞】<br />新規顧客獲得で<br />9割の社長がハマる「罠」図表30

 ここでは1年のLTVが1万円の商品で、CPO、新規顧客獲得件数、1年売上、顧客一人あたり利益、全体利益を比較している。

 この商品の場合、CPOを3000円にすると、1年の新規顧客獲得件数は100件。

 CPOを9000円に引き上げると新規顧客獲得件数は一気に300件になる。

 CPOを上げれば上げるほど新規顧客獲得件数は増え、売上も上がる。

 だが、顧客一人あたり利益はどうか。

 LTVが1万円の商品だから、CPOが3000円なら、顧客一人あたり利益は7000円。

 CPOが4000円になると、新規顧客獲得件数は増えるが、顧客一人あたり利益は6000円に減る。

 CPOが9000円になると、新規顧客獲得件数は300件に増え、売上は300万円と最も増えるが、顧客一人あたり利益は1000円に減ってしまう。

 図表30で注目すべきなのは、全体利益が最も多くなるのはどこかだ。

 全体利益=新規顧客獲得件数×顧客一人あたり利益(LTV-CPO)

 顧客一人あたり利益が一番多いのは、CPOが3000円のとき、新規顧客獲得件数が一番多いのはCPOが9000円のときだ。

 だが、全体利益となると、CPOが3000円のときは70万円、CPOが9000円のときは30万円。

 全体利益が一番多いのは、CPOが6000円のときで80万円となる。

 全体利益を最大化するには、上限CPOを6000円にするのがベスト。

 CPOを6000円以上にすると、新規顧客獲得件数が増え、売上は上がる。

 しかしながら、「収穫逓減の法則」にハマって、全体利益は減っていく。

 多くの会社がこの“罠”に陥っている

 レイトマジョリティやラガードまで振り向かせようと、無駄な投資を重ねているのだ。

「収穫逓減の法則」や「イノベーター理論」を知らないと、CPO3000円で新規顧客を100件獲得し、全体利益が70万円出るなら、CPOを3倍の9000円に増やせば、新規顧客も3倍の300件、全体利益も3倍の210万円になると安易に考えてしまいがちだ。

 しかし、そうはならないことを本書図表30は教えてくれる。