イングランドのファーンバラで開催されたファーンバラ国際航空ショーで、ウクライナの防衛産業が開発した戦術用無人戦闘航空機システム「リウティ」が展示された Photo:Richard Baker/gettyimages
国境から1000キロ超の製油所や弾薬庫爆撃
戦場の変化に応じ設計開発、短期間で生産
ロシアによるウクライナ侵攻以降、ウクライナでの戦闘は5年目に入っているが、このところ目立つのは、ウクライナの長距離無人機(ドローン)によるロシア領の奥深くの地域への攻撃だ。
攻撃の対象は、ロシア国内の製油所や弾薬庫、軍需施設、航空基地など幅広く、無人機による長距離攻撃にロシア側の対応も後手に回る状況だ。
ウクライナ戦争は、戦場での無人機の役割、重要性を大きく高めたが、主として前線での戦術攻撃に用いられていた無人機は、現在では前線から数十~数百キロ、さらには国境から1000キロを超えるようなロシア領にまで到達する長距離攻撃兵器へと進化している。
背景には機体そのものの飛行性能や搭載兵器ガ進歩したこともあるが、それだけにとどまらない。真に重要なのは、ウクライナが短期間のうちに構築・運用を始めた「無人機を大量に設計・改良、短期間に生産する革新的な体制」にある。
従来型の防衛産業モデルから脱却し、民間技術を活用、デジタル産業なども参加する分散化された供給網を統合した新しい防衛産業体制、いわば戦場の変化に応じて設計・改良・量産を繰り返す「新しい兵站(へいたん)」と言っていいものだ。
ウクライナが、軍事力では数倍の規模を持つロシアに対抗できているのは、ロシアの侵攻を食い止めながら、無人機の新たな運用方法を編み出し、さらにはその生産体制も革新的に日々進化させている点にある。
ロシア側も、ドローンの活用、生産に力を入れ始めており、ウクライナの長距離ドローン攻撃が、どこまで戦況を変える活路になるかどうかは、なお見えないが、ロシアの継戦能力に影響を与えていることは間違いない。







