米国民の大半は、米軍が世界一強いと信じている。しかし、その優位は終わりつつある。中国が新型の極超音速ミサイルの発射実験を行ったとの報道は、高まる脅威に関する米国民への警告になるはずだ。英紙フィナンシャル・タイムズは「中国は核弾頭を搭載可能な極超音速ミサイルの発射実験を8月に行った。このミサイルは地球を周回した後、標的に向けて加速した」と報じた。極超音速ミサイルは弾道ミサイルと比べて追跡・破壊が困難であり、米国のミサイル防衛システムをかいくぐる可能性がある。今年はこの極超音速ミサイルの報道に先立ち、中国の砂漠地帯で新たなミサイル格納庫が数百カ所発見されたことが明らかになった。格納庫が核ミサイル用であることは、ほぼ確実だ。これは単に自国の主権を守りたいと考えている国の行動ではない。中国は世界的野望を抱いており、その中には、自国の政治的・経済的利益を追求する手段としての軍事力の誇示も含まれている。
【社説】中国の極超音速ミサイル発射は警鐘
発射実験が示す「次の戦争は異次元の姿に」
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