コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は関西電力、中部電力などの「電力/ガス」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
関西電力、中部電力が
四半期大幅減収となったワケとは?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電力/ガス業界4社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・関西電力
増収率:マイナス18.9%(四半期の売上高5688億円)
・中部電力
増収率:マイナス23.1%(四半期の売上高5249億円)
・東京ガス
増収率:マイナス1.8%(四半期の売上高4082億円)
・大阪ガス
増収率:マイナス0.9%(四半期の売上高3144億円)
※4社とも収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の当該四半期の決算短信における開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない数字を用いている。なお、東京電力ホールディングスは会計方針の変更に伴い、前年同期比増減率が非開示のため、掲載を見送った。
電力・ガス業界4社の四半期増収率(前年同期比)は、全てマイナスとなった。特に関西電力、中部電力の2社は、2桁のマイナスとなっている。
ただ、この大幅減収の背景には「特殊要因」がある。次ページ以降では、減収につながった要因を解説するとともに、増収率の時系列推移を紹介する。