コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京電力ホールディングス、関西電力など、電力/ガス業界の5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
電力、ガス主要5社
コロナ禍の影響は?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電力/ガス業界5社。対象期間は21年1~3月期の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・東京電力ホールディングス
増収率:9.9%(四半期の売上高1兆7629億円)
・関西電力
増収率:10.4%(四半期の売上高9082億円)
・中部電力
増収率:4.8%(四半期の売上高8228億円)
・東京ガス
増収率:マイナス5.6%(四半期の売上高5316億円)
・大阪ガス
増収率:1.8%(四半期の売上高4012億円)
大手電力3社はそろって四半期増収となっている。この要因は何だったのか。次ページからは詳細の数字とともに解説する。