プラットフォームの躍進により、
業界という概念がなくなりつつある
2021年第2四半期末の時価総額ランキングは、米国と中国のプラットフォームが上位を占めていますが、新興国でもプラットフォームが飛躍的な進化を遂げています。
東南アジアでは第8回で解説したゴジェックが、生活に必要な多くのサービスを統合したスーパーアプリを提供。2021年にはトコペディアとの統合によってさらなる快進撃を展開しています。
また、東南アジアにはゴジェックのほかにもグラブやシーといったスーパーアプリが存在します。
第8回ではリープフロッグ現象についても解説しましたが、先進国と比較して基礎インフラが不足している新興国では多くのイノベーションが起きます。
スーパーアプリの登場によって銀行口座を保有していない消費者が、イーウォレットを持つことでお金を貯めることができるようになり、イーコマースで買い物をする際の決済もできるようになりました。
スーパーアプリは地元の小企業や自営業者と連携することで移動、食事、清掃、金融など多数のサービスを展開していて、そこには既存の業界といった考え方は存在しません。
既存のサービスの延長線上で考えるのではなく、アーキテクト思考で新しい枠組みを構想することがいかに重要かお分かりいただけるかと思います。