ニューノーマルの時代にはこれまでの勝ちパターンは通用しない。変革期に必要な新しい思考回路が求められている。それがアーキテクト思考だ。アーキテクト思考とは「新しい世界をゼロベースで構想できる力」のこと。『具体⇔抽象トレーニング』著者の細谷功氏と、経営共創基盤(IGPI)共同経営者の坂田幸樹氏の2人が書き下ろした『構想力が劇的に高まる アーキテクト思考 具体と抽象を行き来する問題発見・解決の新技法』が、9月29日にダイヤモンド社から発売された。混迷の時代を生きるために必要な新しいビジネスの思考力とは何か。それをどう磨き、どう身に付けたらいいのか。本連載では、同書の発刊を記念してそのエッセンスをお届けする。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

なぜ、新興国ではリープフロッグ現象が起きるのか?Photo: Adobe Stock

東南アジアでタイムマシン経営はできるか?

 第1回から第5回までの連載では『アーキテクト思考』の全体像について解説しました。第6回以降はアーキテクト思考の使い方について、読者からの質問に回答する形で事例を交えながら解説しています。

 本日の質問は、以下になります。

弊社は日本で決済プラットフォームを提供するスタートアップです。経済レベルから考えて東南アジアは日本の1990年代と同じ水準だと考え、タイムマシン経営ができると思っていました。しかし、実際インドネシアに足を運んだら、日本よりも非現金決済が進んでいて面を食らいました。なぜ、このようなことが起きているのでしょうか?