参加者の対話から生まれた
“雇われない働き方”への肯定感

 次に、スピーカー、インタビュアー、ライターの3人チームに分かれて、それぞれ3分ずつリストーリーが行われた。

 テーマは(本格的に働くまでの自立を支援する)「中間就労」や「中間的職場」に対する思い。筆者のいたグループで話題になったのはこんな内容だ。当事者が「中間就労」を受け入れてくれる企業を探しても、比較的理解のあるような企業や団体でも難しい現状があり、自宅やLPWのような事務所でもできる仕事を引き受けるほうが探しやすい。しかし、行政や企業側も「支援してほしい」という言葉は聞き飽きており、「中間就労のアイデアを一緒に持ってきてほしい」のが実情だという。

 一方で、カウンセリングとは違う社会とつながるための相談機関が身近に整備されなければいけない。そのためには、封建的で相談しにくい「地域」を壊していく必要があるという現場の話も興味深かった。

 続いて、2テーブルに分かれて「プロアクションカフェ」(多様な参加者の知恵を集め、具体的アクションを生みだしていく対話)を行った。各提案者に対して「自分なら何ができるか?」という対話が行われた。

「これまでの引きこもり支援って、雇われるためのトレーニングをして“正社員になるのが正しい”みたいな意識が前提だった。でも、雇われない働き方への支援も、もっとあったっていいのではないか」

 アート事業を提案した2人のテーブルでは、当事者の1人から冒頭、そんな支援のあり方への問いかけが出された。

「“支援はステレオタイプでアナログ的だ”と当事者はこぼしている。断りにくい人が多いから、別の当事者は“パートとかしてきたけど、無理に周囲に合わせ過ぎて自分をすり減らした。もう二度と人に雇われたくない”と言っていた」

 その話を聞いて、当事者の母親の1人がそう明かした。

 こうしたプロアクションカフェが、メンバーを入れ替えて2ラウンド行われた後、それぞれの提案者が、対話の成果をプレゼンしていく。