大阪都心部と関西空港を結ぶ「なにわ筋線」の建設に向けた準備工事が10月26日から始まった。国鉄時代に始まった構想が2010年代になって具体化した背景には何があったのか。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
今年10月から
準備工事に着手
大阪府・大阪市・JR西日本などが出資する第三セクター関西高速鉄道は10月26日、大阪の「キタ」と「ミナミ」を結ぶ「なにわ筋線」の建設に向けた準備工事に着手した。
なにわ筋線とは東海道新幹線のターミナルである新大阪駅から、大阪駅、中之島、難波、新今宮を経由して関西空港までをつなぐ鉄道プロジェクトで、2031年度の開業を予定している。関西空港から大阪都心、新幹線へのアクセスを改善し、大阪の国際競争力強化や関西の活性化を図るだけでなく、御堂筋線や大阪環状線など既存路線の混雑緩和も期待されている。
整備にあたっては上下分離方式が採用され、関西高速鉄道が第三種鉄道事業者として、うめきた新駅~JR難波駅、南海電鉄新今宮駅駅間を建設。JR西日本と南海が第二種鉄道事業者として列車を運行し、線路使用料を関西高速鉄道に支払う。