『バチェラー』はおじさん向け番組?恋愛バラエティ嫌いの41歳がハマった理由(C) 2021 Warner Bros. International Television Production Limited

恋愛バラエティー、しかも一人の男性を巡って若い女性たちが奪い合いを繰り広げる番組なんて、聞いただけで「何が面白いのか」と憤るおじさんも多いかもしれない。筆者(41歳男性)もかつてはその一人だった。しかしハマってしまったのだ。ハマった者の立場から、『バチェラー』を激烈にお勧めしてみたい。(フリーライター 武藤弘樹)

アラフォー以上の男性に
バチェラー食わず嫌いは多い?

 Amazon Prime Videoで配信されている人気番組『バチェラー・ジャパン』の新シーズンが、11月25日からスタートするらしい。番組内で“バチェラー”と呼ばれる、イケメンで高収入の王子様的独身男性を巡って、20名前後の女性(今回配信されるシーズン4では15名)が奪い合いを繰り広げる、という趣旨の番組である。CMなどの広告が各所でさかんに打たれているので、目にしたことがある人も多いかもしれない。

 恋愛バラエティーを好まない人は徹底して好まない。「何か理由があって好きではない」というよりは、生理的・感覚的に「無理!」な世界なのである。異次元に住んでいるかのような、軽薄そうな若い男女らがキャッキャとじゃれ合う様子を見るのに、なぜわざわざプライベートの貴重な時間を割かねばならないのか……と、思うわけである。

 筆者はそうした人の気持ちが痛いほどよくわかる。なぜなら、今でこそバチェラーフリークを自認してはいるが、かつての筆者が重度の恋愛バラエティー嫌いだったからである。

 しかし『バチェラー』の面白さを知って以降、筆者は周囲の人たちに「ぜひ見るべし」と布教活動を行ってきた。そこで感じたのは、普段から恋愛バラエティーを嫌っている人の中で特に筆者と同世代(アラフォー)以上の男性に、「お試しのつもりだとしても見てもらうのは難しそうだ」ということだった。恋愛バラエティー系が嫌いなおじさんは、テコでも見なさそうな印象を得た。

 しかし、現在の筆者だからこそ断言できることがある。『バチェラー・ジャパン』は、おじさんにこそ突き刺さる、ハマる要素を備えている。それは一体どのようなものなのか。個人的な体験を踏まえて解説したい。