ひろゆきが語る「老害と呼ばれるほど頭が悪くなってしまう瞬間」の話ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「老害」と呼ばれる人

 さまざまな業界や年代の人と話をしていると、「この人は柔軟な考え方だな」と思うときもあれば、「どうしてこんなに頭が固いんだろうな」と思うこともあります。どちらかというと、後者のほうが多いかもしれません。

 特に、社会的に一定のポジションになったことのある人は、一見、後者であるように見えることがあります。それがおそらくネット上では「老害」と呼ばれてしまう原因なんでしょう。

 これまで自分たちがやってきたことが「正しかった」と解釈している人は、どんなに昔は賢かったとしても、どこかのタイミングで若者の考えとズレが生じてきてしまうのです。

新しいことは「とりあえず反対」

「夫婦別姓は良くない」と思っている老人は多くいます。なぜなら、自分たちがみんな姓を変えてきた(変えさせてきた)からです。

「ネット投票ではなく、実際に投票所に行って手書きで書くことが大事だ」と思っている老人もいます。なぜなら、自分たちがそうしてきたからです。

 そうやって新しい仕組みが登場すると、まず「変わることのリスク」のほうに目がいってしまうんですよね。

 よくわからない不安が出てくるから、「とりあえず反対」という立場を取るようになります。これが、非常にやっかいです。

 新しい仕組みが出てくると、まずはそれを理解しなくてはいけません。しかし、年をとって偉いポジションになったような人は、「教えてください」ということがなかなか言えません。中には、貪欲に新しいことを吸収しようとする人もいます。謙虚に若者に向かって質問するような人もいます。でも、残念ながら、それはかなり少数の人たちです。

「最初の不安」を乗り越える

 理解しないということはどういうことでしょうか。

「写真にうつると魂を抜き取られる」

「携帯電話の電波が脳をおかしくしてしまう」

 昔、こんなことを当たり前のように言っている大人たちがいました。カメラやケータイなど、新しいものが出てきたときに「不安」が先に勝ってしまったのです。しかし、今はもうそんなこと言っている人はいませんよね。

 新しいものが出てきたときに反射的に「良くない」「けしからん」と言いだす人は、いくら若かろうと老害です。

 そうならないためには、新しいものを受け入れるために、「仕組み」を調べることです。

 自分が理解するまで専門家などの詳しい人の話を聞いたり、自分から調べることをしないといけません。

学び終えることは、一生ない

 そして、それは社会が成長していく限り、死ぬまで続きます。どこかのタイミングでスパッと学ぶことが必要なくなるわけではありません。

 生涯を通じて、人は学び続けないといけない生き物です。

 それを諦めるということは、生まれ変わることを諦めることです。

 ということで、若い頃に成功体験を持ってしまったような人は、その状態に甘えることなく、つねに若者や専門家から学び続ける態度を取り続けましょう。「思考停止しているかも?」と感じているようなら、まだ間に合います。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。