私がここ数年で採用したとりわけ優秀な人材の中には、経歴と募集していた仕事の職務内容が一致していなかった人もいる。例えば、マーケティングの責任者には宇宙物理学者を採用し、営業部門に元映画脚本家を、社内研修の担当者には小学校3年生を担当していた教師を選んだ。リスクがあっても異分野から応募してきた就職希望者を採用しようと思うのは、おそらく私自身が人と異なるキャリアを歩んできたからだろう。私はインド系米国人女性で、工学やコンピューター科学の学位はないが、シリコンバレーのスタートアップの経営者として、企業向けソフトウエアを開発する150人以上のエンジニアを抱えている。私が成功したのは起業家精神と、社員に自信を持たせる能力のおかげだと考えている。