Lさん家計の収支を確認
夫が60歳までに準備できるお金はいくら?

 早速、Lさん一家が第4子を授かっても大丈夫なのか、家計収支から見ていくことにしましょう。

 Lさんの現在の手取収入は月額50万~60万円と記載があることから、中央値の55万円とします。ボーナスはなく、収入は60歳まで固定した状態での試算を希望しているので月額55万円、年額660万円が60歳まで継続するとします。

 支出は記載されている各項目を合計すると固定費27万9500円、変動費が17万3000円の合計45万2500円です。毎月の手取収入55万円から支出額の45万2500円を差し引くと、9万7500円の黒字になります。

 Lさん一家の場合、毎月の家計から資産運用や投資にもお金を配分しています。積み立て預金が月7万円、iDeCoが月2万円、NISAが月1万円で、合計すると10万円です。黒字額より2500円多いものの、収入について50万~60万円と幅を持たせているので誤差でしょう。毎月の収支に使途不明金などは出ていないと思われます。

 月10万円、年間にすると120万円が資産運用・投資に回っており、夫が60歳になるまでこの金額を継続するとすれば、120万円×24年間で2880万円を準備することができますね。しかし、毎月の積み立ての内2万円は税金用で使い切ると書かれているので、この金額は今後の資産運用・投資額に加えることはできません。そのため、2万円×12カ月×24年間=576万円を2880万円から差し引くことになります。すると、60歳時点での資産運用額・投資額は、2304万円です。

 次に、Lさんの金融資産額を確認していきましょう。

 生活防衛費用預金200万円、学費用積み立て預金15万円、iDeCo2万円、NISA1万円、株式130万円の合計348万円です。この他、児童手当は手を付けず貯蓄に回しているので1人につき約200万円、3人で約600万円を準備することができます。また、学資保険が満期になれば、子ども1人につき200万円の入金があり3人分で600万円金融資産が追加されます。

 全てを合計すると1548万円となります。先ほど試算した60歳までに準備できる金融資産額2304万円と合わせると3852万円です。

 第4子を授かった場合、児童手当が約200万円プラスされることになるので、4052万円になりますね。その際、共働きだと産休・育休(場合によっては退職)で収入が減りますが、Lさんは専業主婦なので収入が減少することはないはずです。一方、支出は増えます。時の経過と共に3人の子どもの教育費、塾、習い事の費用が今後増減することがあるかと思いますが、現状の費用が60歳まで続くと仮定して相殺することにしましょう。