住宅を取得して登記すると、税務署から「お尋ね」の文書が届くことがある。もし親からお金をサポートしてもらっている場合、税務署にどう返答したらいいのだろうか。税のプロが教える。※本稿は、内藤 克『残念な相続〈令和新版〉』(日経プレミアシリーズ)の一部を抜粋・編集したものです。
税務署から「お尋ね」が届く恐怖
どう回答するのが上策なのか
少し前、相談者の方との間でこんな会話がありました。
「先生、自宅を購入したら、税務署から質問状みたいなのが送られてきたんですが……」
「それは購入資金の確認をするものなので、ありのまま書いて提出していいですよ」
「それがですね、実は説明のつかないお金があって、どう書いていいのかわからないんです」
「説明がつかないって?」
不動産の購入、売却、相続や贈与による名義変更の情報は法務局と税務署で共有されています。そのため、不動産を購入した場合は、半年から1年以内に税務署から「お尋ね」が送られてきます。
この「お尋ね」は詳しくいうと、「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」という連絡文書です。これは税務調査の開始を意味しているものではないので、回答義務はありません。
しかし、これを書いていくうちに税務上の問題点に気づくだけでなく、登記の変更や取引の見直しもでき余計な課税も避けることができるため、提出することをお勧めします。