大卒初任給、23年は30年ぶり2%超える
約7割の企業が引き上げ
初任給を大幅に引き上げる企業が相次いでいる。大企業を中心に大幅な賃上げが広がり、中小や地方の企業も初任給アップに積極的な動きを示している(注1)。
長らく停滞が続いてきた大卒初任給が変化したのは、2023年のことだ。「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、大卒初任給の前年度比増加率は、1995~2022年には2%未満に落ち込んでいた。ところが、23年に3.9%となり30年ぶりに2%を超えた。
産労総合研究所の調査によると、回答があった360社のうち23年に初任給を引き上げたのは68.1%に上った。6割を超えたのは25年ぶりだった。
さらにメガバンクは同一業種、企業間での横並びも崩れはじめた。
今年は、昨年を上回る初任給引き上げラッシュとなっており、昨年の金融や建設業などから、製造業や流通業など幅広い業種で引き上げが行われた。
こうした動きは直接には、大卒者の「2022年問題」が発端だが、日本企業の「横並び一律」は本格的にくずれるのか。