世界がカーボンフリー型経済に移行するには年間4兆ドル(約455兆円)が必要になる。これは巨額だろうか? そんなことはない。世界の金融システムは毎年何兆ドルもの資金をその所有者からそれを必要とする人々へと何の苦もなく振り向けている。2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロを達成する目的で、同じ事を行うのは能力の範囲内だ。ただ投資すべき対象を見つければよい。米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)の言葉を借りると、「収入の道筋があれば、資金は無限に集まる」。持続可能な金融に対するウォール街の関心が利益に動機づけられているのは、良くも悪くもなく、必要なことだ。経済に内在する資本の大部分を化石燃料から再生可能エネルギーへと向かわせることは、公共事業や慈善事業を通じては達成できない。
脱炭素資金、巨額調達がそれほど難しくない理由
バンカメのモイニハンCEO「収入の道筋があれば、資金は無限に集まる」
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