川本裕子・人事院総裁 インタビューPhoto by Kazutoshi Sumitomo

国家公務員の人事制度の改善や勧告などをつかさどる人事院。そのトップである総裁に今年6月、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、三菱UFJフィナンシャル・グループやソフトバンクグループなどで社外取締役を務めた川本裕子氏が就任した。公務員の長時間労働や志望者減少などの課題をどう克服するのか。川本氏に聞いた。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

独占サービスが故の競争性のなさが課題
人事院は「BtoBtoC」の意識を持つべき

――人事院の総裁に就任してから数カ月がたちました。どんな景色が見えてきましたか。

 就任後、たくさんの公務員が毎日誠実に働いている姿を確認できたことは、一つの発見です。でも一方で、官は柔軟性に乏しい部分があります。

 民間企業は、グローバルの変化に対応しようと日夜努力し、競争があります。ニーズに応えないと淘汰されます。

 それに比べて官は独占サービスなので、競争がなく、これまでの枠組みや発想にとらわれ過ぎることがあります。自分たちを律する力がよほど強くないと、制度が劣化する懸念があるのです。

 しかし公務員が国民の奉仕者であるという大前提の下、国民にとって最大の効果を出していくための制度づくりは非常に難しい。着手して数カ月がたち、自分たちも切磋琢磨していかなければいけないと強く感じています。

 人事院は、官庁に対する制度づくりやサービスを提供する意味ではBtoBです。でも、BtoBでは官庁の先にいる国民のニーズに届かないため、人事院がBtoBtoCという意識を持ってほしいと思っています。

――今年8月に公表した「公務員人事管理に関する報告」では、公務員の長時間労働という問題を指摘しています。長時間労働の根本的な原因は何なのでしょうか。