【エマラーレニ(南アフリカ)】南半球で2番目の規模の石炭火力発電所となる南アフリカのクシレ発電所が、間もなく完成する。ピカピカの新しい煙突や巨大な発電機は、同国の経済成長を加速させ、国民を貧困から解放するため50年間で200億ドル(約2兆2800億円)を投じる計画の中核を成すものだ。
南アと同発電所は現在、最も汚染度の高い化石燃料である石炭への依存から貧困諸国が脱却するのを、富裕諸国が支援できるかどうか見極めるテストケースにもなっている。
グラスゴーでの第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)のホスト国である英国は、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにするための広範な野心的計画の一環として、ほぼすべての国の代表者らに「石炭火力発電を過去の歴史にする」ことを呼び掛けた。気候学者らは、産業革命以前と比べた気温上昇幅をセ氏1.5度以内に抑制し、気候変動の最悪の被害を食い止めるためには、こうした対応が不可欠だと訴えている。