他人とうまくコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、自己肯定感の欠如、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)が発売されました。同書の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の発刊を記念してそのエッセンスをお届けします。心がスーッと軽くなる珠玉のアドバイスにお付き合いください。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。
悩みのほとんどは「現状への不満」
それにしても、「でも」「だって」「どうせ」の三つの言葉を排除するだけで、本当に人生が変わるのでしょうか?
私は「変わる」と思っています。実際、生きづらさを感じている人の問題の、8割は解決されてしまうのではないでしょうか。というのも、悩みのほとんどは「現状への不満」だからです。
これを解決するには、しんどいことを何度も言いますが、「現状そのものを変える」か、「現状への受け入れ方を変える」しかないのです。
たとえば、あなたが、「ああ、もっと収入が高い仕事につけたらよかったのになぁ!」と、友達にグチったとしましょう(真剣に言っているかどうかは別として)。
「だったらさ、もっと収入が高いところに転職すればいいじゃん!」
と、友達が言いました。
そこで、あなたは「3D」を口にします。
「でもさ、そんな条件のいい会社に、ホイホイ転職ができるわけがないじゃん」
この一言でこの話は終わりです。問題は解決されず、不満は全く消えません。
気づけばまたあなたは、「ああ、もっと収入が高い仕事につけたら……」と愚痴を言い続けるでしょう。