子どもへの10万円給付、「意味がない」といえるこれだけの理由写真はイメージです Photo:PIXTA

政府は、18歳以下の子どもへの10万円給付を検討しているようだ。現金を配布する目的はさまざまあろうが、格差の是正、少子化対策、景気対策といった観点から効果を考えてみたい。(経済評論家 塚崎公義)

子どもに10万円を配っても
格差是正にはならない

 まず、格差の是正について、高額所得者を除いたとしても、広く親の所得や資産状況とほぼ無関係に配布するのであれば、格差の是正にはあまりつながらない。格差を是正したいのであれば、貧しい人だけに20万円ずつ配布するほうがはるかに効果的であろう。

 岸田首相は以前、「弱い立場の人への現金給付を考えたい」と述べていたようだが、格差是正という観点からは、そちらを優先すべきであるように思える。

単年度の配布では
少子化対策にならない

 子どもに現金を配れば少子化対策になるかといえば、そんなことはないだろう。すでに生まれている子どもに現金を配っても、これから生まれてくる子どもの数が増えるわけではないからだ。

 恒久的な措置として、「今後、少子化が止まるまで、子どもに毎年10万円を配り続けることを約束するので、『子どもを産みたいけれども金がないから子どもが産めない』と考えている人は、積極的に出産を検討してください」というのであれば、少子化対策になり得るので、筆者としては大賛成だが、今次の措置はそういうものではなさそうだ。