会社更生手続き中の半導体大手、エルピーダメモリを買収する米半導体大手、マイクロン・テクノロジーのマイケル・サドラーバイス・プレジデント(経営企画担当)が週刊ダイヤモンドの電話インタビューに応じ、エルピーダの坂本幸雄社長がマイクロンの出資完了後に引退することを明らかにした。また、更生計画案に反対している社債権者グループについて「和解は考えていない」と語った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)
――東京地裁がエルピーダとマイクロンの更生計画案を債権者の決議にかける決定をした。
エルピーダが支援会社を決めた手続きは健全で透明だ。われわれは2度の入札に参加したが、東京地裁は参加者にエルピーダの資産や能力を調べる十分な時間があったと判断されたのだと考えている。管財人は従業員や顧客、債権者に対し、最大の利益を得るためにはマイクロンが最適なスポンサーだと判断した。東京地裁も管財人がマイクロンを選んだ手続きが透明でしっかりしていると認めたのだと思う。
――マイクロンにとってエルピーダ買収のメリットはどこにあるのか。
一つはスケールメリットだ。マイクロンの生産能力にエルピーダ分を上乗せすると50%増え、生産効率が上がる。年商も約125億ドルになり、営業費用、一般管理費、研究開発費などをより効率的にできる。エルピーダの研究開発能力も魅力だ。省電力のDRAM製品の開発力が強く、モバイル向け製品で大きな力になる。また、マイクロンはDRAMのほか、NOR型、NAND型のフラッシュメモリも手掛けており、エルピーダとその子会社のレックスチップの生産設備を使うことで、生産のバランスを最適化できる。
――エルピーダの広島工場の今後をどう考えているか。
広島工場は製品ラインアップをより豊富にする。いまはコモディティ市場向けの製品に頼っているが、企業向けやモバイルコミュニケーション向けの製品を生産していきたい。