「ぼくはコラムのページを中心に読みますね。大人が読んでも『そうなんだ』とか『えー、マジですか!』という驚きがある。知ったら明日誰かに話したくなるようなネタがたくさんあります」

 歴史を学ぶ意義について、パックンは「子どもたちも含めて、私たちは『当事者』だからです」と語る。

「私たちは国の方向性を決め、ターニングポイントをつくれるのです。そして、国の行く末を決めるためには、この国がどういう過去を歩んできたかを知らなければいけません。スポーツをやる人はコーチから教わったり、うまい人を真似したりする。人間の文化、文明はどうすればよりよい方向に進められるのか、我々は歴史と言うコーチの言うことを聞かなければいけないと思うんです」

 私たちを導くコーチとなってくれる歴史に興味をもつきっかけとして、「タイムワープ」シリーズなどの歴史マンガは最適ではないかとパックンさんは強調する。

「そこから歴史に興味を持ってもらえれば、マンガから卒業しても歴史に対する興味、関心、愛は変わらないと思います。親にもぜひ読んでほしいですね。子どもが何に喜んでいるかを知ることができるし、知らなかった事実を知ることもできる。家族間のコミュニケーションにもつながります」

歴史漫画タイムワープシリーズ 歴史人物バトル フランス編 織田信長vs.ナポレオン『歴史漫画タイムワープシリーズ 歴史人物バトル フランス編 織田信長vs.ナポレオン』
野間与太郎 マンガ/チーム・ガリレオ ストーリー/神野正史 監修定価1320円

 タイムワープシリーズは基本的に日本の歴史をあつかってきたが、2021年11月には世界史をテーマにした「歴史人物バトル」編もスタートする。世界史に登場する有名人物が未来の小学校に召喚され、日本史を彩る英雄たちと「かくれんぼ」や「障害物競走」といった競技で対決する――というストーリー。知力、能力をフルに使って対決に挑む歴史上の人物たちのストーリーから、その人物のキャラクターやエピソード、歴史上で果たした役割などが身につくしかけだ。1作目はナポレオンやジャンヌ・ダルクが登場する「フランス編」、来年1月刊の2作目はワシントンやエジソンが登場する「アメリカ編」となっている。

「いまはグローバルな時代。世界を相手にしていく中で外国を知らないと不利になりますし、そのためには世界史を知る必要があります。『タイムワープ』シリーズでも世界史を取り上げてほしいと思っていましたし、かゆいところに手が届いた感じですね」(パックンさん)

(ジュニア編集部・福井洋平)

AERA dot.より転載