スクウェア・エニックス・ホールディングスは、2024年3月期までの3カ年中期業績目標で、売上高4000億~5000億円、営業利益率15%超を達成するという目標を掲げた。その勝算と成長が期待されるクラウドゲームの展望を松田洋祐社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

新中期経営計画で過去最高益を狙う

――次期中期業績目標の達成見込みについては。

松田洋祐/スクウェア・エニックス・ホールディングス社長まつだ・ようすけ/1963年4月生まれ。87年東京大学卒業、三井生命保険入社。アクタス監査法人などに勤務後、2001年スクウェア執行役員。08年スクウェア・エニックス・ホールディングス取締役、13年より現職。 Photo by Kazutoshi Sumitomo

 若干ストレッチしているところもありますが、未発表のものも含む現状のパイプライン(制作中のタイトル)を考えれば、十分に達成可能な水準だと思っています。

 現場では3、4年かけて開発をしますから、今回の目標はすでにあるパイプラインの“延長線”ともいえます。

――パイプラインの中身は、一から制作された「新規IP(知的財産)」と「既存IP」のどちらが中心になりますか。

 こればかりはタイトルの成否にもよりますので、どちらが売り上げの中心になるかを断言することは難しいです。

 新規IPの例では、「バビロンズフォール」や来年春発売予定の「フォースポークン」といったタイトルが発表済みです。望むらくは新規IPの割合が高くなってもらいたいのですが、同時に既存IPの更新も行っていきます。あくまでも、新旧のバランスが重要だと考えています。

――中期目標である営業利益率15%超の達成には販促費や開発費のコントロールが欠かせません。