あの政党とこの政党が手を組む、なんてアリ?
坪井 不良債権処理をめぐる90年代半ばの国会では、野党が政府の公的資金投入に大反対して長期間混乱した。マルクスは、「金融危機の際は銀行を国有化すべし」と書いているのにね。あれやこれやがあり、結局2009年の総選挙で、かつての社会党の大多数を含めた民主党が政権を奪取したわけ。
―なるほど。現在の社会民主党が旧社会党だと思っていました。
坪井 いや、社会党の大多数は民主党に合流し、残された一部が社会民主党に再編したんだよ。
こうして民主党と自民党の2大政党に集約されたのだけれど、両党ともに自由主義者から社会民主主義者まで、右から左まで全部いるんだよね。だから分かりにくいんだ。もちろんリーダーの思想によって引っ張られるところは大きいけどね。たとえば、小泉政権(2001-06)は明確に自由主義政策を打ち出したので分かりやすかった。
しかし、94年に発足した村山連立政権(1994-95 自民、社会、さきがけ)なんていい例だけど、自由主義的競争を促進する自民党と社会民主主義政策を推奨する社会党が一緒に与党になっちゃっている。
―え、そんなことが可能なんですか?
坪井 お互いの主張はとりあえず妥協して、まずは数を増やして権力を得ることが大事、という戦略なんだ。
―それって良いのかなあ。