「お金」の先に「天職」がある

サラタメ:「仕事が楽しくなってきた」という感覚は、「お金」以上に大きな価値をもたらしてくれます。心からハッピーな真の「安定」には欠かせないピースです。

 この資本主義社会において、お金はもちろん重要です。

 本書を手に取ってくださった方には、しっかりお金持ちになり、経済的な意味での「安定」を手にしてほしいと思います。そのために必要となる、お金稼ぎに直結するノウハウもお伝えしていきましょう。

 ただ、それと同時に「仕事が楽しい」という状態も、あきらめずに目指してほしいのです。

サラタメ:なぜなら、金銭的な意味だけじゃなく、精神的な安定を手に入れてこそ、真の「安定」だからです。「見せかけだけの成功」ではなく、心からハッピーな状態になってもらいたいんです!

マモル:心からハッピーな真の「安定」を手に入れるには、お金だけじゃホントに無理なんですか?

サラタメ:はい、それはマズローさんっていうエラい心理学者が、80年くらい前に提唱しています。

“FIRE”した億万長者より“2つの給料袋”を持つサラリーマンが、よっぽど輝いて見える理由マズローの欲求5段階説

 上のピラミッド図は、人間が持つ欲求を5段階に分けたものです。

 人は誰しも、一番下層の「生理的欲求(とにかく生き延びたい)」から順番に満たしていき、最上段の「自己実現欲求(「自分」を存分に活かしたい)」を満たしたときに、心からハッピーになります。

 要は、ごはんを食べて生き延びているだけでは、人間はどうにも満足しきれないということ。「不労所得」「FIRE(早期リタイア)」は一見魅力的ですが、実はそれで満足できるほど人間の心は単純ではありません。

「お金」だけで、最上段の「自己実現欲求」まで満たすのは不可能です。お金で満たせるのは、せいぜい下から2段目の「安全欲求」くらいまで。そこからさらに、ピラミッドの上に進むために結局行き着くのが、「仕事」なのです。

 自分に合った仕事(適職)が第3の「社会的欲求」、第4の「承認欲求」を満たしてくれます。さらに自分の強みを存分に活かす仕事(天職)が「自己実現欲求」を満たしてくれるのです。

 もちろんお金がまったくないと、上位の段階に挑戦する気さえ起きませんが、ある程度経済的に満たされた人は、誰もがこのピラミッドを登っていきます。私たち人間の脳に、そうやってインストールされているので、抵抗できません。

マモル:なるほど。お金って最低限のストレスを取り除いてはくれるけど、心からハッピーな状態にしてくれるかっていうと微妙なのか……。よし! じゃあボクも欲張って「お金」と「天職」、どっちも狙っていきますね!

サラタメ:私は仕事のご縁で、とんでもないお金持ちにお会いする機会があったりするんですが、みなさん、めちゃくちゃ楽しそうに仕事してるんですよね。もう一生かけても使いきれないくらいのお金を持ってるはずなのに。

マモル:仕事を通して、お金以上にステキなものを得られてるってことなんですかね~。

「お金好き」より「仕事好き」が最強

 本書でも触れましたが、人生100年時代は「お金」「ビジネススキル」「人間関係」「健康」の4つの資産をバランスよく築いていく必要があります。

 そして「仕事」を楽しみ続けることは、4つの資産すべてに、間違いなくよい影響をもたらします。

サラタメ:ザックリまとめると、まず目指すべきは「2つの給料袋を持つこと」。それで、イヤな仕事は徐々にやめていく。好きな仕事は極め続けていく。すると、いつのまにか、仕事が楽しくなってきちゃう瞬間がきます!

マモル:そうやって「仕事好き」になっちゃうと、お金も、お金以外の資産もガンガン貯まっていく。つまり、「給料袋2つ」→「仕事好きになる」→真の「安定」が合理的なルートってことですね!(一発宝くじ当てることじゃなかったか……〈笑〉)

(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)

〈まとめ〉
・「2つの給料袋」が、真の「安定」をもたらす
・収入が増えるだけでなく、仕事を選べるようになる
・仕事は、人間が最終的に求める「自己実現欲求」まで満たしてくれる
・「お金」と同時に「天職」を手に入れることまで目指そう
・それこそが真の「安定」(経済的&精神的安定)につながる