酒米と酵母の異なる
日本酒のアッサンブラージュ
コロナによるダメージは各業界に及んでいるが、酒類業界も例外ではない。飲食店の営業自粛のあおりを受けて2020年に廃業した酒類の卸売業者は全国で109社。1999年から始まった統計で最悪の数字となった。
特に日本酒の出荷量は1973年度の177万キロリットルをピークに20年度には4分の1以下の41万キロリットルまで減少、今年はコロナの影響にさらに大きく出荷量を落とすとみられている。
これまで踏みとどまっていた蔵元もコロナによる出荷量減少により、廃業するところが出てきている。日本酒は存亡の岐路に立たされているのだ。
日本酒業界はこの苦境を乗り切るため、さまざまな新しい取り組みを続けている。
一つ目は「アッサンブラージュ」だ。
アッサンブラージュとは、ブレンドを意味するフランス語。ワインはアッサンブラージュという、ブドウの品種が違うワインを混ぜ合わせて販売することが認められている。たとえば赤ワインにはメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどいくつかの品種があり、それぞれの個性がある。これを混ぜ合わせることで、単一品種では出せない味を生み出そうというもので、ボルドーワインやシャンパンでは一般的だ。