のどや耳の「つまり」に注意!
次は咽頭がんです。ちなみに咽頭とは、一般には「のど」といわれる部分のことで、空気の通り道であると同時に食べ物の通り道でもあります。
咽頭の上のあたりに、のどと耳をつなぐ「耳管」という管があり、ここにがんができると耳がつまった感じになります。
また、声帯に直接がんができると声がかすれてしまいます。咽頭がんの半数以上は声帯の一部分である声門にできると言われており、この症状は要注意です。
咽頭がんが大きくなると、食べ物が通りにくくなり、肺への通り道である「気管」を塞いでしまい呼吸がしにくくなります。
このような症状が出現したらすぐ病院に行きましょう。食道がんの専門家は「消化器内科・外科」、咽頭がんの専門科は「耳鼻咽喉科」ですが、一般的な内科でもかまいません。
胃カメラで見つかることも?
有効な検診はないとお伝えしましたが、「胃カメラ」で咽頭や食道を観察するときにがんが見つかるケースもあります。リスクが高いと感じる人は、胃がん検診はバリウムよりも胃カメラを選択したほうがいいかもしれません。
咽頭がんの中でも「中咽頭がん」に関しては、オーラルセックスなどによって、HPVの「口腔内感染」によりがんになることもあるので、HPVの予防接種を行っておきましょう。
※1 Cancer Statistics. Cancer Information Service, National Cancer Center, Japan(National Cancer Registry, Ministry of Health, Labour and Welfare)
※2 Yuquan Lu,et al. Cigarette smoking, alcohol drinking, and oral cavity and pharyngeal cancer in the Japanese: a population based cohort study in Japan. Eur J Cancer Prev. 2018 Mar;27(2):171 179.