エネルギーPhoto:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はINPEX、ENEOSホールディングス、出光興産の「エネルギー」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

エネルギー業界3社は
いずれも2桁の大幅増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のエネルギー業界3社。対象期間は21年7~9月の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・INPEX
 増収率:74.4%(四半期の売上高3508億円)
・ENEOSホールディングス
 増収率:38.1%(四半期の売上高2兆5073億円)
・出光興産
 増収率:51.5%(四半期の売上高1兆5647億円)

※出光興産は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 エネルギー業界の3社は、全て前年同期比で4〜7割ほどの大幅増収となった。背景にあるのは、原油価格の高騰だ。

 一方で、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、前年同期は各社とも減収となっていた。コロナ前の水準と比べると、売り上げはどのくらいまで回復しているのか。次ページ以降では、データを交えて詳しく解説する。