かつて、派遣求人サイトで「登録者から求人元に合った者を抽出してオファーを出す」という方法による仕事の募集があったという。

<この種のオファーに求人元の企業担当者が、直接関与していないケースは多いのではないかと思います。かく言う私も潰しの効かない経歴や親族の介護等から空白期間が長く、結局は、それまでの仕事とは無関係の介護の仕事に落ち着きました>

 Bさんは、この間、アルバイトや単発の仕事等を受注しながら、100社以上に応募した。ところが、である。

<面接担当者が面接時まで、明らかにこちらの書類を見ていなかったりするケースは、かなりの数に上ります。1件の求人に対して何十、場合によっては何百もの応募が殺到して、書類選考がズサンになっていたり、それ自体を外部に投げている求人元は多いのではないかと考えています>

 さらに、空白の期間が長くなればなるほど、親戚などの周囲の目は「やる気がないから就職できないんだ」などと、責めるように目を背けるのは、どのケースでも同じようだ。

<ワラをもつかむ思いで、自分の兄弟・親族・友人等の企業の要職にある方や採用担当者に意見を伺ったことがあります。しかし、やはり同様の反応が多く、むしろ親戚中で「やる気がないヤツだ」との悪評が立つだけで困惑させられました。もっと露骨に「空白期間は、けがれだ」と言い放たれたこともあります>

再就職できたのは「高校の恩師」のおかげ
世の中はハローワークより人脈か

 考えてみれば、年金などの社会保障は、すべて「終身雇用時代」の家庭を前提に設計されていて、終身雇用のレールから外れると、とても不利な待遇に陥るようになっている。しかし、いまや「空白期間」を持たない人のほうが、珍しくなった。

 首都圏に住む40歳代の私立校教員のCさんからは、当連載の「“空白の2年”が致命傷に 1年で300社以上の採用試験に落ち続けた40代男性」の記事中に出てくる「遠隔の親戚よりも近所の他人が再就職の仲立ちをしてくれる」という箇所が、自分にも当てはまるというメールをいただいた。

 当時30歳前後で大学院を卒業したCさんは、研究職のあてがなく、シンクタンクでアルバイトをしていた。