ひろゆきが「あなたの仕事への『こだわり』は取扱い注意!」と警告するワケひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「こだわり」は厄介もの

 普段、仕事をしていくうえで、やっかいなものがあります。それが、「こだわり」です。

 職人やアーティストのような仕事では、「こだわり」の部分にスポットライトが当たります。そこにこそ、仕事や作品の価値が宿っていると思われているからですね。

 ただ、これは非常に厄介な言葉でもあります。

 というのも、本人が「こだわり」だと勘違いしてしまっていて、本当は意味を持たないようなことも多々あるからです。

他者満足? 自己満足?

 たとえば、ラーメン屋であるならば、「お客さんを満足させるためのこだわり」と「自分が納得するためのこだわり」に分けられます。

 そして、その2つの円は微妙に重なっているはずです。

「自分が納得するこだわりでありながら、お客さんも満足する」というラインが見えていれば、そのラーメン屋は繁盛するでしょう。その「こだわり」も正解になると思います。

 ただ、お客さんには何も伝わらないような素材への執念みたいなものに関しては、ある程度、諦めたり手放したりしたほうがいいと思います。そうでないと、毎日の仕事は続けられませんし、まわりのスタッフに迷惑がかかり始めるからです。

 他者への満足を置き去りにした「自己満足」ほどめんどくさいものはありません。そうなってしまっている「こだわり」は捨てたほうが身のためです。

「こだわり」は場所による

 ホワイトカラーの仕事でもそうです。

 資料作成において、細かな書体の調整や見易さを重視するような努力は、あまり良い「こだわり」ではありません。

 それでも、どうしても資料のデザインにこだわってしまうのなら、デザイナーのような道を選んだほうがいいでしょう。

 資料へのこだわりを見せられるよりも、上司や同僚は早く資料を配ってくれたほうが助かるはずです。

 ここで大事なのは、「こだわりは意味がないから捨てろ」ということではありません。むしろ、その「こだわり」を発揮できる場所に移ったほうがあなた自身が幸せですよ、ということです。

 ということで、あなたがどうしてもこだわってしまうことを考えてみてください。そして、それが今の仕事や職場で評価につながるかどうかを考えてみましょう。もし、それがリンクしていなくて自己満足で終わっているのであれば、もっといい仕事があるかもしれません。そのヒントになると思うので、ちょっと考えてみればいいのではないでしょうか。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。