ただ、最近は企業の取引銀行が我々ファンドのいい評判を伝えてくれていることもあり、徐々に評価は変わってきている。おそらく福助の案件など実績が評価されているのだと思う。

従業員を大切にすることが
経済合理性にも適う

――やはり人を大切にするというスタンスの受けがいいのでしょうか?

 そうではあるが、何も浪花節でファンドビジネスをやっているわけではない。経済合理性から見てもこれが正しいと思っているのだ。株主利益だけ考えて経営すれば確かに数字は出てくるかもしれないが、本質的な企業の強さを失う可能性がある。

 例えば、ノンコア事業の整理にしても、売却するのが教科書的には王道かもしれないが、売却をしてしまうと他の事業部の人員が「次は自分たちか」と疑心暗鬼になりモティベーションが下がりかねない。赤字になった事業は単にその事業を止めて、従業員は別の事業に移ってもらう方がむしろいいこともある。従業員の中に安心感が出てみんな一生懸命働く。

――従業員を大切にという考え方には同感なのですが、一方で、従業員とファンドでは成長スピードに対する考え方が違うのではないでしょうか?ファンドが投資した後、従業員は本当についてきますか?

 ファンドが投資した場合は、従業員側も変化が起こることへの覚悟が最初からできている。その緊張感があるうちにいろんなものを変えてしまうことが重要で、最初の100日が勝負。

 100日プランをやる時は、いかに仕事を面白くするかに注力する。新しいことにチャレンジできてキチンと評価される仕組みを作るとみんな頑張る。多くの場合は、従業員も企業や働き方など変えないといけないと思っている。ただ、それが既存の枠組みでは実行できなかっただけ。

<次回【後編】へ続く>