「一人脳内会議」をやって、さっと頭を切り替えよう!
脳内会議ですから、頭の中でいろんな自分に発言させて、いろいろな議論を交わしてみます。たとえば、こんな具合です。以下では、4人の人格で脳内会議をします。
私A「使えないヤツ、という発言は間違っていると思います! だって、ふだんはきちんと成果を出しているし、この前は褒められる機会もあったはずです!」
私B「でも、それなら上司は、なぜあんなことを言ったんだろう?」
私C「いつも短気な人だからさ、カッとしてつい、パワハラ発言が出たんじゃないの。いつもだって、他の人に結構言ってるじゃん。自分だけ言われてるわけじゃないよ…」
私D「そんなことより、今日のランチ何を食べます?」
私B「なるほど。では、先ほどの発言は、丸ごと鵜呑みにする必要はない、ということで結論を出してよろしいですか?」
私A「いいと思う!」
私C「でも、怒られた理由と思われる点はチェックして、次からしないようにしよう。怒られないに越したことはないからね」
たとえば、こんな具合です。
いやなことを言われた瞬間にやることですから、ここまで細かくできるかどうかはわかりません。ただ、「そんな言葉を真に受けて気にする必要はない」ということで、自分の中で納得できたら、それでよしとしましょう。
あとは気にせず、できるだけ意識をせずに、ふだん通りのことをしていればいいのです。
意識すればするほど、相手が近くにいるだけで似たようなミスをしてしまいかねませんし、ストレスもかかります。
萎縮した状態で「これをやったら終わりだ」と思いながらやっていると、再度同じミスをしやすくなるので、早急に頭を切り替えたほうがいいです。
POINT:
「一人脳内会議」で頭を切り替えましょう。
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4.9万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。