リーダーには、日々さまざまな判断が求められる。採用、配置、トラブル対応、部下への指導――その一つひとつが、チームの成果や人間関係に大きく影響する。しかし、判断を急ぎすぎると、見えているはずの問題を見落としてしまうことがある。では、判断を誤らないリーダーは、決断の前に何をしているのだろうか。

「判断力がない」リーダーの末路・ワースト1Photo: Adobe Stock

判断するのが、リーダーの仕事

リーダーにもっとも必要なのは、判断力です。
会社から権限を与えられている以上、その権限の範囲内で判断しなければなりません。

「この人材、採用すべきか」
「このトラブル、どう対応するか」

日々、こうした判断を迫られるのがリーダーの仕事です。
でも、判断に必要なのは、実は「分析力」なのです。

失敗例:分析せずに判断した結果

ある小売店で、こんなことがありました。
パート従業員から「レジのシフトが偏っていて、特定の人だけ毎日忙しい時間帯に入っている。もっと平等にしてほしい」という相談が上がってきました。
店長は「今まで問題なかったし、ベテランに任せた方が安心だから」と即座に却下。

その後、そのベテランパートが「もうしんどいです」と突然退職。
店長は慌てて他のパートにシフトを振り分けようとしましたが、「急に言われても」と反発され、結局、店長自身が毎日レジに入る羽目に。

もしリーダーが「このまま続けたらどうなるか」を分析していたら、ベテランの退職は防げたはずです。

成功例:分析してから判断した結果

別の飲食店では、ベテラン社員から「新人の○○さん、接客態度が悪いので注意してほしい」という訴えがありました。

店長は、まず状況を分析しました。
「具体的にどんな場面で態度が悪いのか」
「他のスタッフも同じように感じているか」
「本人は何か悩みを抱えていないか」

観察してみると、新人は接客中、確かに表情が硬い。
でも、仕事は丁寧にこなしている。
本人に話を聞くと、「人前で話すのが苦手で、笑顔を作るのに必死で疲れてしまう」という悩みが見えてきました。

店長は「接客より、調理補助やバックヤード業務を中心に担当してもらおう」と判断。
結果、その新人は黙々と丁寧に作業をこなし、他のスタッフから「あの人がいると助かる」と言われるようになりました。
もし店長が分析せずに「態度を改めろ」と注意していたら、その新人は辞めていたかもしれません。

判断の前に、まず分析する習慣を

判断力を高めるには、まず分析する習慣が必要です。
意外とやってしまう「なんとなく」ではなく、「事実」や「状況」をもとに考える。
明日から、判断する前に「まず分析」を意識してみてください。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)