動物をどう扱うかは
すべての弱者に対する試金石

――法に訴え、政治に働き掛ける。そこまでやる情熱は、どこから来るのですか。

 ものを言えない動物は、社会における最大の弱者です。そして弱者という点では、子どもや障害者といった弱い立場の人間と通底しています。動物をどう扱うかということは、あらゆる弱者をどう扱うかの試金石であると私は思っています。動物をはじめとする声を上げられない弱者を支援することができる社会なら、多くの人が幸せになれると思うんです。

 日々のニュースには、子どもが虐待されて死亡する事件のような、弱者を救えなかったケースがあふれています。ただ、あらゆる弱者を守る活動に自分が関わるなんてことは無理です。だから私は、一番の弱者である動物を守る、彼ら彼女らの声を代弁する活動だけは徹底してやるつもりです。

―― 一方で女優やタレントという、「イメージ商売」の仕事もしています。刑事告発やロビー活動といった激烈なアクションを起こすことで、芸能活動面で失うものはありませんか。

 リスクはありますよ。例えば、過去に動物が出てくるテレビCMの機会がありました。そのときに私は、「出演する動物はどこから連れてこられるのか」「どんなふうにCMの中で扱われるのか」などを細かく問いました。その結果、このCMのお仕事からは外されてしまいました。

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 また、「動物を出せば視聴率を取れるだろう」という安易な意図のテレビ番組には絶対に出ないことにしています。動物番組は動物と親しむような体をして、実際には人間の都合で動物に大変な思いをさせています。しかも、視聴者も出演者も制作サイドもそのことに気付いていません。

 こういう姿勢ですから、夫にも「リスクを取っている」とは言われています。でもどんなにリスクを取っても、動物愛護は私の使命としてやり抜く。Eva設立時から腹をくくっています。