芸能人とペットの
扱われ方は似ている

――芸能の仕事と動物愛護活動をてんびんにかけたら、後者の方がはるかに重いのだと。

 エンターテインメントの世界はもちろん好きです。芸能の仕事から得たものにも感謝しています。ただ、そもそも芸能界への執着はデビュー時から全くありません。

 さっきのCMの話のように、動物について仕事の現場で問題提起をすると、「面倒な人」になってしまう。そうすると芸能人としての利益を失うことも多々あります。そうであっても、Evaの活動は私にとって最優先事項です。どうしたって譲れません。

 SNSが普及したことで、芸能人も昔に比べれば自分の意見を発信しやすくなってはきました。それでも私のような「面倒な人」になると、スポンサーから敬遠されるのは事実。だからどうしても、芸能人は社会的発言を控えてしまうことが多くなります。

――「ものなど言うな、愛らしくいればそれでよい」と求められる点では、芸能人とペットの扱われ方はどこか似ているようです。

 似ていると思います。日本では特にそうです。芸能界で仕事をされている方がそれを問題と感じているかは分かりません。ですが、芸能界において問題かどうかというよりも、それは日本社会にとって大きなマイナスです。

 日本人はとかく同調圧力に弱いところがありますが、主義主張を堂々と語って初めて、成熟した大人といえるのではありませんか。特に多少なりとも社会的影響力を持つ芸能人には、この姿勢が求められているのではないかと思います。