女優の杉本彩氏は日本を代表する動物愛護活動家としても著名だ。近年は動物虐待事案に対する刑事告発や、政界に対するロビー活動を活発化するなど、動物愛護活動に対する圧倒的な情熱を隠さない。これほどの情熱はどこから湧き出てくるのか?「美しき活動家」に尋ねていくと、話は「芸能人とペットの共通点」に行き着いた。週刊ダイヤモンドの保存版特集『犬&猫 「うちの子」の大問題』からのスピンオフ特別企画としてインタビューをお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

コロナ禍で増えた
犬猫の無責任な衝動買い

――コロナ禍でペットを飼い始める人が増えています。

杉本彩氏Photo by Yoko Akiyoshi

 保護犬・保護猫を迎えて里親になるという選択ならありがたいのですが、実態としては無責任な衝動買いが多くて、すでに飼育放棄している例も少なくないことを憂慮しています。

 例えば、インターネット上の掲示板に、「60万円の犬を衝動買いしたが、緊急事態宣言の解除で出勤が増え、面倒を見られない。誰かもらってください」と書き込んでいる人がいるのです。動物愛護活動をしている立場からすると、憤まんやるかたありません。

 何よりも、「ペットを買わせよう」という業界関係者の力がものすごい。繁殖業者やペットショップ、ペット保険の会社、一部の獣医師など、ペットに関連する事業者の組織力、影響力があまりに大きいのです。

 こういった業者は広告代理店やコンサルティング会社をうまく活用した巧みな演出で「業界の裏」を感じさせない。実際には、インターネットをちょっと検索するだけでも、生体展示販売の問題を知ることができます。それなのに演出にごまかされ、「自分が買ったペットショップは違う」と“楽観バイアス”がかかる。消費者にはもっと賢くなってほしいです。