「今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、そんな悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そんな「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。山下さんは初の著書『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を全て公開している。
その戦略は「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。

頭がいい人と悪い人「転職エージェントにする質問」に現れる差Photo: Adobe Stock

 リクルートエージェント、パーソルキャリアなどの大手転職エージェントは、自社で人材のデータベースを保有しています。また、ビズリーチは個人ではなく法人向けに特化したサービスです。これらのデータベースは、個人が自由に見ることはできません。

 しかし、転職エージェントはプロとして、これらのデータベースを日常的に利用しています。そして普段僕らが知り得ない「A社には、こんな人が中途採用で受かった」という情報を知っています。(当然、個人情報保護法の範囲内ですが)これを利用しない手はありません。

 なお、LinkedInやWantedly、YOUTRUSTなどのSNSは個人でも登録でき、つながった相手の情報を見ることができます。自分で調べてもいいですが、SNSを調べるときもエージェントに頼んだほうがラクですし、確実だと思います。

 実際に受かった人のスキルのレベル、経歴を知ることができれば、自分が今受かるレベルにいるのか、足りないものは何か、何をすればいいのかがかなり正確にわかります。具体的には、僕の例を挙げるなら「PwCに入りたいのですが、同社は高卒でも採用実績があると聞きました。他にはどんな学歴の人がいますか?」というような感じで、エージェントに聞いてみればいいわけです。

 本書で、難関企業に入るときは「ステップを踏む」という話をしましたが、まさにステップを踏むのに有益な企業を探すときにも、こうした情報はかなり使えます。あくまで例ですが、「アクセンチュアに在籍する社員の前職は、この会社が多い」というような情報は、エージェントに調べてもらうだけですぐにわかります。

 こうした情報を手に入れるか入れないかで、「わらしべ転職」を成功させられるかは決まってしまうのです。

〈エージェントへの具体的な質問〉
□ ◯◯業界の人の前職について「同じ業界」と「違う業界」の比率
□ 「違う業界」の場合、どんな例があるか
□ ◯◯社の中途採用組で「未経験」の人はいるか
□ ◯◯社の中途採用組で「未経験」の人の割合はどれくらいか
□ ◯◯社に中途採用で入った人の「前職」はどこの会社が多いか
□ ◯◯社に中途採用で入った人の「最低の学歴」は、どんなレベルか