「今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、そんな悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そんな「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。山下さんは出版した初の著書『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を全て公開している。
その戦略は「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。

頭がいい人と悪い人「社内評価」に対する考え方の差Photo: Adobe Stock

「他の人がやらない仕事」をやる。これはあえて別の言い方をすれば、社内の「本流ではない道」を歩むことです。そのため、会社員として注意しなければならないことがあります。

 一番大事なのが、会社の人事評価で上司が認める結果を出すこと。具体的には「5段階評価なら、4をとる」。それも1回ではなく、コンスタントにとり続ける必要があります。

「どうせ転職するのだから社内の評価は低くていいよ」と思う人がいるかもしれませんが、それは大きな間違い。完全な「一匹狼」で突き進めるフルコミッションの営業などは別かもしれませんが、ほとんどの仕事で、社内で疎まれたり邪魔者扱いされたりしている人が、成果を出すことは難しいと思ったほうがいいです。

 僕のこだわりは、5段階中「5」でもなく、「3」でもなく「4」であること。

「5なら満点だからいいじゃないか」と思うかもしれませんが、これは「1位」を狙う思考。僕らが中途半端な気持ちで狙っても、横並びの競争に巻き込まれて結果は出せずに終わります(自然体でずっと5がとれている人は、もしかしたら本書は必要ないかもしれません!)。

 一方で「3を維持」もおすすめしません。このレベルだと、上司からは「まだまだ成長が足りていない」という評価になるためです。上司からは部下のあなたを伸ばそうと「あれをやってみよう」「これをやっておいて」とどんどん仕事を振られる恐れがありますし、新しいことをしていると「それよりこっちを優先してよ」と注意を受けることもあります。とにかく上司や会社の側に「文句をいう隙を与える」のはNGです。

 僕が目指していたのは、圧倒的トップではないけれども「あの人に任せればこなしてくれる」という評判の社員になることです。仕事には安定感があって、何かをお願いしても安心。時間的にも余裕があるので、社内で何か始めるときにも名前が挙がりやすくなる……という状態です。

 こういう評価・評判を一度社内で得ることができると、自分から手を挙げなくても「新しいプロジェクト、山下を入れておこうか」と声がかかるようになります。声がかかれば、つながりも増えます。そこで評価されれば、さらに「他の人がやらない仕事」への道が開けます。

 何より「山下はやることやってるから、好きなようにやらせてやろう」という評価を手にすることができるのです。