「今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そうした「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。山下さんは12月に出版した初の著書『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を「再現性のあるマニュアル」にして、全て公開。その戦略は「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。
実は、僕ら転職希望者の前に立ちはだかる壁があります。
それは「どうせ自分なんて……」というメンタルブロックです。最後の壁は、恐ろしいことに自分のなかに存在しているのです。
高校を卒業して就職する18歳の僕は、まさにこのメンタルブロックに支配されていました。僕はずっと、自分は学歴が高卒だから、この壁をつくっていたのだと思っていました。しかしあるとき、「前提条件」がどうあれ、思い込みは発生してしまうのではないかと気づいたのです。
実際、転職希望者(全員結構いい大学を出ている人ばかりです)の相談に乗っているなかで、このメンタルブロックの強固さに、何度も驚かされました。
応募してみれば受かるかもしれないのに、「まだ今の自分には早いから」と書類すら送らない人、「僕は学歴が低いから、この企業は無理ですよね?」と聞いてくる人、「中小企業の職歴しかないから、あの会社はキツい」と悲観している人……。具体的な会社選びのはるか前で立ち止まり「バッターボックスにすら立っていない人」に数多く出会いました。
皆、自分の置かれた現状を変えたくて転職をしようと思い、積極的に行動して僕に連絡を取り、わざわざ相談に来ている。とても前向きな人たちのはずです。それなのに、いつの間にか自分自身の手で枠を狭め、「やらない理由」をつくり出してしまっているのです。
メンタルブロックを最終的に解けるのは、あなただけです。ただ、僕自身もそうでしたが、「解こう」という意志があっても、すぐに行動には移せない、自分の考え方を変えられない……という場合もあるかもしれません。メンタルブロックは長年積み重なった「思考の癖の集大成」みたいなものなので、かなり思い込みが強固な場合もあります。
そこで僕がおすすめしているのが、少しずつでいいので「思い込みを外す練習」をしてみることです。例えば猫背の人が姿勢をよくするためにトレーニングをするような感じで、繰り返し繰り返し、トレーニングをするのです。途中、ちょっと痛みが出るかもしれないけれど、無理をしないで継続していく。
本書では、僕がおすすめする練習方法を、いくつか紹介します。
※この記事は、『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』からの抜粋です。