上場投資信託(ETF)への資金流入が記録的な高水準となる中、相場下落時に大きな損失が出かねない新たな取引戦略を資産運用会社が打ち出している。モーニングスターのデータによると、今年は11月末時点で世界のETFへの資金流入が初めて1兆ドル(約113兆3500億円)の節目を突破し、昨年の総額である7357億ドルを上回った。こうしたマネーの波に相場上昇が重なり、世界のETFの運用資産額は約9兆5000億ドルと、18年末の2倍超となった。これらの資金の大半は、コストが低い指数連動型の米国ファンドに向かっており、その運用はバンガード・グループやブラックロック、ステート・ストリートが手掛ける。米ETFの運用資産総額の4分の3超は3社の管理下にある。アナリストによると、ETF人気の背景には、株価の上昇(例えば、S&P500種指数は年初来で25%高)に加え、ETFに代わる高利回り商品がないことがある。