社会生活において、人と全く関わらないで生きていくことはできません。相手が友人であれ、職場の同僚であれ、家族であれ、関係性がどうであれ、誰しも日々、人と関わりを持って生活しています。近年、人との関わり方が多様化し、人間関係に悩むビジネスパーソンが急増しています。今回は、そんな複雑な人間関係を円滑に築くポイント「譲る」についてです。(CCI代表取締役・元国際線チーフパーサー 山本洋子)
他人とかち合ったときに、道を譲るか譲らないか
電車に遅れないよう駅に向かって急いでいるとき、自動改札を通るタイミングが同じになり人とかち合ってしまったことはありませんか?そんなとき、皆さんならどう行動するでしょうか?
先日、駅の構内に入る直前、見るからに急いでいる様子の男性が、荷物で先をふさぐように私の前を遮り、自動改札をわれ先にと通過していきました。通勤時間帯など多くの人が急ぎ、先を争うようなシーンでは、なかなか気持ちに余裕を持って人に先を「譲る」ということは難しいのかもしれません。しかし、押しのけられ、後に回った者としては決して気持ちのいいものではありません。
また人がすれ違えないような狭い道路を歩いているとき、前方から人が来た場合などはどうでしょう。強引に自分が先に通り過ぎるでしょうか?または、すれ違う手前で立ち止まり、相手が通り過ぎるのを待って先を「譲る」でしょうか?
相手に先を譲るとまるで損をするかのように、全く配慮のかけらもなく突進してくる人もいます。
このようなシーンは日常的によくあることですが、人に対して少しの配慮があるかないかで、その人の人となりが表れます。道を「譲る」、先を「譲る」という日常のちょっとした行為にも、それが如実に表れるのです。