「婚活」(こんかつ)という流行語を巷にもたらしたのは、2008年に出版された『「婚活」時代』(著:山田昌弘、白河桃子/ディスカバートゥエンティワン)だが、2010年現在もこの言葉は鳴り止みそうにない。流行語として息の長い言葉と言えるだろう。
婚活という言葉が時代にフィットしたのは、不景気、年功序列制度の崩壊や年金不安などを背景にした、何が起こるか分からない心細い社会情勢が大きく関与していると言われる。男も女も、経済的にも精神的にも1人よりも2人でいた方がいざというときに頼りになるだろうという、リスク分散の一環として結婚を捉えている男女が多いのかもしれない。
そんな「婚活時代」とも言える現代だが、さがしものは意外に近くにあるのかもしれない。相模ゴム工業による20代~30代女性400名を対象にした意識調査によると、会社の同僚と付き合う、いわゆる「社内恋愛」することは「あり」だと思うと答えた人が77.5%にのぼることが判明した。実際、現在同僚と付き合っていると回答したのは22.8%だった。
また、同社が男性を対象に行ったアンケート調査でも、片思い中の男性のうち3人に1人が相手は同僚であり、男女とも同僚の異性を“恋愛対象”として捉えている人が多いことが浮き彫りとなった。ここからは考察に過ぎないが、お互い職を持っている者同士、経済的に余裕のある付き合いを望んだ結果かもしれない。また、男女がともに同じ職場で働けば、同じ部署ならではの悩みも共有しやすいという意味でも、リスクを分散できそうだ。
同社が主催する「恋ラボプロジェクト」では、このほかにも恋愛に関する興味深いアンケート調査を行っている。「婚活」と並んで流行語である「草食男子・肉食男子」にまつわるアンケートでは、見た目も中身も草食男子と付き合いたいと考えている女性はわずか6.3%に対し、見た目も中身も肉食男子が29.3%、第一印象は草食っぽいが実は肉食男子が50.8%と、“ソフトな肉食系”人気が高いことが分かった。
現在交際している男性とのきっかけが「相手から直接告白された」が73.8%にのぼることも踏まえると、積極的(=肉食)な男子に告白されたいという女性のニーズが根強いと言える。また、女性の7割近くが、異性に告白されて断ったとしてもこれまで通りの人間関係を続けると回答している。
男性の皆さん、今年は思い切って草食男子の皮をはいで、片思いの同僚に告白をしてみてはいかがだろうか。
(プレスラボ 梅田カズヒコ)