岸田文雄首相岸田文雄政権が10月に発足して以降、その経済政策に対するメディアの論調は概して厳しい Photo:Anadolu Agency/gettyimages

保守からもリベラルからも
評価されない岸田経済政策

 岸田文雄政権が10月に発足して以降、その経済政策に対するメディアの論調は概して厳しい。

 保守系あるいは経済系メディアは、岸田首相が掲げる「新たな資本主義、分配重視」というアジェンダに対して感覚的な拒否反応を示しているように見える。

 一方のリベラル系メディアが明確に支持のスタンスを示しているのかというと、そういうわけでもない。リベラル系メディアとしては、「新しい資本主義」と言われても、それが彼らの理想とする社会民主主義にどれほど近づいてゆくのかが明確ではないという不満があるのだろう。

 とりわけ「成長と分配の好循環」をめぐっては、成長が先なのか、分配が先なのか。何によって成長や分配を主に実現するのか、政府のメッセージがはっきりしないまま、「期待」と「不満」が入り混じっているような状況だ。