米電気自動車(EV)メーカーのテスラは、半導体不足とサプライチェーン(供給網)の制約に見舞われた今年、自動車業界における最大の勝者の1社となった。その成功の一端は、シリコンバレーを原点とする同社のルーツにあると言えそうだ。アナリストの分析では、テスラの今年の生産台数は前年比で約8割増と、年間としては2018年以来の高い伸びを遂げると見込まれている。半面、供給網の混乱が響き、世界の自動車業界全体の生産台数は前年比およそ1%増にとどまり、2019年比では15%減少する見通しだ(IHSマークイット調べ)。テスラが生産を維持できた一因は、社内に蓄積されたソフトウエアエンジニアリングに関する専門知識を生かす方向へと軌道修正し、競合メーカーよりも世界的な半導体不足にうまく対応できたことにあると、業界幹部やコンサルタントは話す。半導体は電動モーターの制御からスマートフォンの充電まで、あらゆるものに使われている。
テスラ半導体危機どう克服、生きたテク企業の原点
今年の生産台数は前年比80%増へ
有料会員限定
あなたにおすすめ