平時であれば、ジェローム・パウエル氏は自身にとって最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を終えていたはずだ。5月に米連邦準備制度理事会(FRB)議長職をケビン・ウォーシュ氏に譲り、理事のポストも手放していただろう。だが今は平時ではなく、この国にとってより良い選択肢は、パウエル氏が民間に戻るのではなく、理事としてFRBに残ることだ。ドナルド・トランプ米大統領はこの1年、独立性を保つべきFRBを自らの意のままにしようとしてきた。果ては司法省を通じて、FRB本部の改修予算超過について議会で虚偽の報告をしたという信ぴょう性に乏しい疑いで、パウエル氏の捜査を開始した。同省は先週、捜査を打ち切った。今考えるべきは、FRBの独立性への脅威は本当に終わったのか、もし終わっていないなら、独立性を守るためにパウエル氏はFRBの中にいるべきか外にいるべきかだ。同氏は4月29日、議長の任期が5月15日に終了した後も、「期間は未定」ながら理事としてFRBに残ると表明した。同氏の理事の任期は2028年前半までとなる。