グラウド市場でシェア争いを繰り広げているグーグルとライバル企業は新たな武器を使いつつある。クラウドサービスを契約した顧客企業に大型出資を行うというものだ。アルファベット傘下のグーグルは1420億ドル(約16兆3400億円)の手元資金を活用して自社のクラウドサービスに顧客を引き付けようとしている。同社はこの1年で、ユニビジョン・コミュニケーションズやCMEグループなどの株式を取得し、自社のクラウドサービスの複数年契約を勝ち取った。グーグルのクラウド部門の最高経営責任者(CEO)は2019年からオラクル出身のトーマス・クリアン氏が務めている。クラウド市場首位のアマゾンに迫ろうとする大手企業の中で、グーグルは最も積極的な企業の一つだ。マイクロソフトも自社のクラウドサービスの利用を含む合意の一環として複数のスタートアップの株式を取得。オラクルは昨年、クラウドサービスと絡めて動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の株式を取得しようとした。同社は12月、医療情報技術を手掛けるサーナーを283億ドルで買収すると発表した際にクラウド事業にとって弾みになると述べた。