権力の座に就いてから10年、北朝鮮の金正恩氏は明らかに舞台の中心に立った。父親と祖父の分身として正統性を主張する存在から脱皮し、思いのままに権力を振るうことを正当化しようとしている。韓国の諜報機関によると、主要な政治会議の場から最近、金氏の祖父で北朝鮮を建国した金日成氏と父親で総書記を務めた金正日氏の肖像が消えた。三代目である37歳の正恩氏は「金正恩主義」なる新たな思想も発表したという。その詳細は公には伝えられていないが、金氏はこれまで大衆迎合的な発言を繰り返し、技術官僚に責めを負わせてきた。人口2500万人超の北朝鮮は長年の課題を抱えている。食糧不足と経済停滞は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で悪化。西側との関係正常化に向けた外交も行き詰まった。
正恩氏「レガシー政治」から脱皮 権力握り10年
北朝鮮が深刻な経済難に直面する中、正恩氏は父と祖父の影から抜け出しつつある
有料会員限定
あなたにおすすめ